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『宝塚カフェブレイク』の映像演出には、いつも唸らされる。出演者をじっくり追いかけるカメラワークと編集が実に巧みで、ファン目線に寄り添った神番組だとつくづく実感するよ。
放送局の変更で「どこで観られるんだ?」と一時は焦ったが、遅れ放送とはいえ無事にBS211(BS11)で水美舞斗さんの出演回を録画できた。次は鷹翔千空さん、風色日向さんと続く予定だし、楽しみが尽きないな。
カフェブレイクの編集技と、BD/DVDへの切実な望み
今回の水美さんアングルは本当に素晴らしかった。『黒蜥蜴』の各シーン——宝石ショーでの雨宮(水美さん)と黒蜥蜴(春乃さくらさん)の妖艶なダンス、ホテルでの見事なペアダンス、雨宮と早苗(天彩峰里さん)の出会い、山川健一に扮した電話シーンやタクシーの場面、そして黒蜥蜴を追う迫真の演技。どのカットを切り取っても影のある美しさが際立っていて、気づけば何度もリピート再生していた。
これだけ見事な映像を見せられると、公式の映像作品にも期待が高まってしまう。
宝塚クリエイティブアーツから発売されるBlu-rayやDVDには本編とは別に「スターアングル」が収録されている。例えば『PRINCE OF LEGEND / BAYSIDE STAR』を例に挙げると、以下のようになっている。
* PRINCE OF LEGEND:桜木みなとさん(6場面)、春乃さくらさん(2場面)、水美舞斗さん(4場面)
* BAYSIDE STAR:桜木みなとさん(6場面)、春乃さくらさん(1場面)、水美舞斗さん(2場面)
ここで思うのが、鷹翔さんをはじめとする3番手以下の若手・中堅スターのアングルがほぼ存在しないことだ。外部の番組であるTOKYO MXがあれだけの編集をやってのけるのだから、本家のクリエイティブアーツにできないはずがない。
もし3番手以下のスターにも1場面だけでも「スターアングル(あるいは若手ダイジェスト編集版)」が用意されたらどうだろう。贔屓の組だけでなく、「ちょっと気になる若手がいるから」と他組のBlu-rayまで購入するファンが増えるはずだ。劇団の売り上げにとっても、ファンの満足度にとっても絶対にプラスになる。ぜひ検討してほしいところだ。
「観ているようで観ていなかった」横顔の魅力
番組をじっくり観ていて痛感したのが、「劇場で観劇しているとき、自分はいかに『観ているようで観ていなかったか』」ということだ。
贔屓が出ていれば全神経を集中させているつもりなのだが、生の舞台の熱量に圧倒されて、どこか舞い上がってしまう。後から映像で確認して「こんな繊細な表情をされていたのか」とハッとさせられることが実に多い。
特にカフェブレイクのカメラはサイドからのアングルが絶妙だ。舞台上で横を向いている時の顔を、カメラが正面から捉えてくれる。劇場では横顔しか見えないアングルでも、映像ならその表情の真意が完璧に伝わってくるのだ。
舞台人にとって「横顔の美しさ」は極めて重要な武器だと思う。芝居中、人間は横を向く時間が長いからだ。以前、劇場で「こんなにマイティ(水美さん)にはまるとは思わなかった。轟悠さん以来のショックだ」と語り合っているファンを見かけたが、深く納得した。轟さんのあの気品ある美鼻筋と、水美さんの端正な鼻筋。あの横顔のラインには、人を一瞬で沼に引きずり込む魔力がある。
グッズ展開に見るPR戦略とインパクト
最近の劇団はアクリルスタンドや「お名前キーホルダー」など、多彩な個人グッズを展開している。人気測定の意味合いもあるのだろうが、キャトルレーヴオンラインで見たフルネーム漢字表記のキーホルダーには膝を打った。やはり日本人にとって直感的に最も認識しやすいのは漢字だ。
ファンがバッグにつけることを想定しても、あえて漢字にすることで「宝塚を知らない一般の人へのPR効果」を狙っているのではないだろうか。
この「直感的なインパクト」で思い出されるのが、桜木みなとさんのファンが着ている「サクラギミナト」とカタカナで書かれたTシャツだ。
以前SNSで、学校の先生をしている宝塚ファンが、プライベートでそのTシャツを着ているときに生徒から「先生~!」と声をかけられ、「社会的に終わった……」と頭を抱えていた面白い投稿を見かけた。笑ってしまったが、これほど強いインパクトがあれば、間違いなく素晴らしいPRになっている。
若手スターの発掘、中堅スターの魅力底上げ、そして円盤を購入するファンの満足度向上。劇団にはまだまだできることがたくさんある。まずはBlu-rayのスターアングル拡充から、ぜひ一歩を踏み出してほしいものだ。
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